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疫学研究

各種皮膚腫瘍における血管・リンパ管の新生・誘導・成長因子の発現と、患者予後に関する解析

・ご協力のお願い

 

1.研究の意義と目的

免疫染色やダーモスコピーなど最近の診断技術の進歩や、皮膚腫瘍の一般向けの啓発などにより、悪性黒色腫や有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍の多くの症例が早期発見されるようになってきました。しかし、ヒトの皮膚腫瘍、の代表である悪性黒色腫(メラノーマ)、有棘細胞癌、乳房外パジェット病においては、依然、全身の多臓器転移による腫瘍死がさけられない症例も多いのが実情です。そこで、私達は各種の皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、有棘細胞癌、乳房外パジェット病)患者の切除標本を用い、それらの候補因子群の腫瘍細胞における発現を免疫組織化学的にて決定し、その発現パターンと臨床的な予後情報との相関を解析することで、皮膚悪性腫瘍における予後因子を見いだすことを試みることとしました。また、この解析により現在多様な悪性腫瘍に関し研究・臨床治験の段階である各種の血管新生因子に対する阻害剤の、これら皮膚悪性腫瘍への効果や適応の可能性を探ります。

 

2.研究の方法

1990年1月から2008年12月までに、本研究参加施設において組織学的に(悪性黒色腫、有棘細胞癌、乳房外パジェット病)の確定診断を受け、その後の経過が確認できる患者さんを対象に行います。対象患者さんんの病理未染標本をこれまで腫瘍免疫に関与するとされる各抗原の特異的抗体などにより染色しそれぞれ比較します。研究は倫理委員会で承認されてから2012年まで行います。


3. 個人情報の保護:
 患者の個人情報は、個人情報保護のため、研究用症例識別コードによって匿名化します。また、プレパラート病理標本は病理標本番号によって匿名化されます。本人と照合可能な個人情報が研究参加施設外には出ないため、各研究参加施設の研究責任医師は、責任を持って研究用症例識別コードとカルテ番号・氏名などの個人情報の連結表である調査対象症例リスト(様式は問わない)を金庫内に保管し、厳重に管理し、研究データの照会や、研究資料等の返却時の管理に用います。各研究参加施設への照会は、研究対象者の予後調査情報については症例識別コードとイニシャルの2つを用い、プレパラート病理標本については、病理標本番号を用いる。また、収集データを扱うことができるのは研究者のみとし、外部に接続されているコンピューターには保管しません。
 琉球大学医学部附属病院の包括的同意、もしくは琉球大学医学部附属病院皮膚科で義務づけられている、琉球大学医学部附属病院皮膚科で行う特殊検査についての同意をもって同意書とします。

 データの収集に使用した記録用紙及び分析過程で印刷したデータは、全てシュレッダーにて裁断し、内容が分からないようにして廃棄します。解析に使用したコンピューター上のデータは、研究が終了した場合には読み取り不能となる方法により破棄します。また、臨床情報調査票、および、プレパラート病理標本、症例病理標本リスト、プレパラート標本病理診断調査票は、全ての研究が終了後、研究参加施設である琉球大学大学院皮膚科学教室において、研究代表者の高橋健造の研究室の施錠した書類キャビネットに厳重に保管します。

提供された血液は分析する前に本人と分かるような情報(氏名・生年月日など)を削り、番号をつけます。あなたとこの番号を結ぶ付ける対応表は、琉球大学医学部皮膚科教室において厳重に保管します。

 

4.研究協力の任意性と撤回の自由

この研究へのご協力は自主的な判断によります。ご協力いただけなかったとしても、何らあなたの不利益になることはありません。また一旦同意された後でも、いつでも同意を取り消せます。その場合はあなたに関する検査結果は全て廃棄し、記録には残しません。検体の提供は無償です。

 

5.研究協力の利益および不利益

この研究は対象となる方に対し、この研究に関連した新しい検査や金銭的な負担は一切生じません。 負担は私どもの研究費で賄います。予測される不利益はありませんが、短期的には患者さんに直接的な利益もありません。

協力してくださる患者さんへ、金銭をお支払いすることもありません。

 

6.解析結果の開示

この調査は個人の利益や不利益に直接関与する解析結果とはなりませんので、個人の検査結果は開示いたしません。

 

7.研究結果の公表

この研究の成果は学会で発表され、学術誌に掲載される可能性もあります。その時には、あなたを含めご協力いただいたすべての患者さんは匿名化された状態で発表され、あなたのプライバシーに関する情報が公表されることは全くありません。

 

8.研究から生じる知的財産権の帰属

本研究の成果として特許などの知的財産権が生じる可能性はあります。この場合、その権利の帰属先は国、琉球大学、研究遂行者などになります。なぜなら、本研究の成果は多数の患者さんから得られた研究成果に基づいているため、特定の患者さん個人に知的財産権を付与することはできないこと、知的財産権はそれを見出した研究組織に帰属される性質のものだからです。

 

その他、この研究にご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい。御自身や御家族の情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象としませんので,2012年3月31日までの間に下記の連絡先までお申出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

 

連絡先:琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座 (琉球大学医学部皮膚科教室、電話 098−895−1153、お急ぎでないときはなるべくファックスでお願いいたします。 FAX番号 098−895−1417 内海大介)

 研究責任者     琉球大学皮膚科  准教授  高橋 健造 

   研究担当者     琉球大学皮膚科  教授   上里 博    

          琉球大学皮膚科  大学院生 内海 大介

        群馬大学皮膚科  教授  石川 治

         群馬大学皮膚科  助教  安田 正人

             群馬大学皮膚科  臨床検査技師  竹内 裕子

           京都大学皮膚科  大学院生  山本 洋介

         京都大学病理部  教授  真鍋 俊明

        京都大学病理部  助教  宮川 文

              京都大学大学院医学研究科探索医療センター検証部 

                    准教授  手良向 聡 

              京都大学大学院医学研究科探索医療センター検証部 

                  助教  田中 司朗

 

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